せっかく好きな人ができたのに、うまく自分の好意を伝えられなかった。友達をつくりたいと思うのに、自分から他人に話しかけることが苦手だ。
そういう人は、「何を話せばよいのか判らない」「変なことを言ってしまって恥をかきたくない」と、つい尻込みしてしまっているのではないでしょうか。
「何かを話さなければいけない」と考えると、まるで自分が相手に試されているように感じて、失敗を怖れてしまうものです。
いきおい、無理をして必死に自分をアピールしようとして、「押しつけがましい人」という印象をもたれてしまいがちです。
「何かを話さなければならない」と焦る前に、まず他人の話をよく聞くことからはじめてみましょう。皆、自分の話を聞いてほしい、自分に関心をもってほしいと思っているものです。
「あなたの話を聞きますよ」という態度を見せることが、他人とうち解ける大きなきっかけになるのです。
相手が何も話してくれないなら、そのときは自分から質問をして話題をつくればよいのです。
家族や生い立ちなど、いきなり立ち入った質問をするのはよくありませんので、趣味や休日の過ごし方などの軽い話題から入るのがよいでしょう。
ふつう、質問された相手も、「自分のことについて尋ねられれば、相手のことも訊き返すのが礼儀だ」と考えるでしょう。
そこから自然な会話が生まれるのです。
自分から相手を好きになっておいて、「あなたが先に私を受け入れてくれなくては、私もあなたを受け入れられません」というのは、おかしな話です。
人間の価値は、「人に何をしてもらったか」ではなく、「人に何をしてあげたか」で決まります。
よい人間関係を結ぶためには、自分から好意を示すことこそが重要であり、それができれば9割がたは成功したと考えてもよいのです。
「好きである」という言葉は、相手の人柄を充分に理解し、尊重した上で使うべきなのです。
会話の目的を「自分を知ってもらうこと」ではなく、「相手を知ること」だと考えれば、ずいぶん気は楽になります。
「どれだけ自分をアピールできたか」ではなく、「どれだけ相手を知ることができたか」によろこびを見いだすことが、好きな人に対する本来の姿なのです。
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