身勝手と解っていても 弁護士 エグゼクティブとの出会い 大阪

結婚相談所の昼下がり、尋ねてこられた男性は４５歳。再婚で前妻との子どもはありません。 上品で穏やかな雰囲気の男性の話は長く、重い内容でした。 某結婚相談所でお見合いした子持ちの女性と交際になり、女性から結婚を承諾する為の3つの条件を切り出されました。 1つ目は、小学校に通っている子どもを転校させたくない、近くに両親もいるので結婚後今の地域に住むこと。 ２つ目は、最初の子どもは難産で母子共に危険だったので、子どもはつくらないこと。 ３つ目は、できれば養子に来て欲しいが、無理であれば別姓にすること。 この条件を聞いて、男性は断わるべきかと悩んでいました。 「普通は断わるでしょう。最初の2つの条件は譲れますが、別姓は納得できません。 自分の両親、子ども、経済力のある男性と全て取り込んで、随分身勝手な女性です。 子どもが自立したら、年老いて捨てられるかもしれませんよ。」 男性はうなだれて言葉も出ない様子。 暫くして、「やっぱり・・ぼくは彼女に惹かれています。もしこの人を断わったら、今後結婚相手に出会えないかも知れません。」しぼるような低い声が揺れる思いを伝えているようです。 「そうですか〜　すべての条件を呑んでも結婚したいと思うのでしたら、あなたの持っている因縁です。」 身勝手と解っていても結婚したいのですから、男性は前生よくよく自分さえよければ、今さえよければと女性を取り込んできたのでしょう。 子どもを産んでもらえず、同じ姓にもならない嫁を受けいれる、男性の母親の気持ちを思えばせつないですが、そういう息子に泣かされる家柄の因縁を、母親も持っているのです。 「前生振り回した相手だと思ったら、前生の借金返しです。果たされますか？」 男性の顔が明るくなりました。 その人を好きになった自分に、原因があると悟ったのでしょう。 「話し合って頑張ってみます。」といった男性を笑顔で送り、もし成婚されたら、某相談所に成婚料少しは貰いたいものと思いながら―
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